衛星放送協会

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有料・多チャンネル放送の啓蒙、普及発展を推進する団体です。

オリジナル番組アワード

オリジナル番組アワード 審査委員特別賞

「審査委員特別賞」は惜しくも最優秀賞を逃した作品に対して贈られるものです。

審査委員特別賞

渥美清さん没後20年 “寅さん” 特集

NHK BSプレミアム(日本放送協会)

【オリジナル編成企画部門】

“寅さん”こと渥美清さんが亡くなって20年の節目にあたり、“寅さん”を振り返る特集番組やドラマ、映画を集中的に編成し、ロイヤルカスタマーを中心にBS プレミアムをアピール。「寅さんに会える夏。」というキャッチコピーでプロモーション展開も行った。

作品紹介

2016年7月30日(土)~ 10月4日(火)の間に様々な角度から寅さんや渥美清の魅力に迫る特集を3番組、定時番組寅さんスペシャルを2番組、第1作を含む代表的な『男はつらいよ』シリーズの映画10本、のべ23時間編成した。「寅さんに会える夏。」キャンペーンとして『男はつらいよ』の名場面を楽しみながら、風天の俳号で詠まれた200超の俳句から心のうちを読み解いた、ザ・プレミアム「寅さん、何考えていたの?~渥美清・心の旅路~」、今まで語られることのなかった、寅さん役でブレイクする前の渥美清を描いたドキュメンタリードラマ「おかしな男~渥美清・寅さん夜明け前~」、寅さんが鉄道旅した中で、特に縁の深い地を“寅さんの家族”が訪ねる旅番組、「寅さん 鉄道ふれあい旅『20年目の夏 さくらと博が行く』、映画については、『男はつらいよ』シリーズ10作品を編成。幅広い世代に渥美清と“寅さん”の魅力を伝える番組を集中編成した。

【審査員講評】 小峰 健二 氏(朝日新聞東京本社 報道局 文化くらし報道部)
没後20年を記念し、大衆を笑わせ泣かせた喜劇役者・渥美清を特集。「男はつらいよ」シリーズを単に放送するだけでなく、様々な側面から国民的俳優を見つめ直し、知られざる〝寅さん〟像に迫った。特に「風天」の俳号で詠み続けた200超の俳句から人間・渥美を浮き上がらせた「寅さん、何考えていたの?~渥美清・心の旅路~」は出色の出来。浅丘ルリ子や倍賞千恵子、山田洋次ら証言者として登場する面々が豪華で、NHKの自力を感じさせる。句のイメージ映像も丁寧に作り上げ、細部にも手を抜かない姿勢もうかがえた。もちろん、一番の魅力は渥美による味わい深い句である。あっけらかんとした語感に、ちょっぴり哀愁をしのばせる、その腕の確かさに驚いた視聴者も多かったはず。この番組を筆頭に「渥美=寅さん」の魅力を、特番など5番組と映画10本の延べ23時間で、余すことなく伝えた好企画となった。

審査委員特別賞

鬼平

時代劇専門チャンネル(日本映画放送株式会社)

【アニメ番組部門】

時代劇の“未来” がここにある。数々のオリジナル時代劇を手掛けて来た時代劇専門チャンネルが満を持して挑むアニメ時代劇。「この世界の片隅に」の丸山正雄/ スタジオM2を迎え、今年誕生50周年となる池波正太郎原作「鬼平犯科帳」を初のアニメ化。全ての鬼平ファンと次世代に向けて放つ新たなる挑戦!

作品紹介

累計発行部数2700万部を誇る池波正太郎の超人気時代小説シリーズ「鬼平犯科帳」(文藝春秋刊)を、2017年に発刊50周年を迎えることを記念して初のアニメ化。原作は江戸を舞台に「火付盗賊改方」という現代の秘密警察の役職についた長谷川平蔵が悪党たちを裁いていく姿を描いた時代小説。これまでに漫画化、実写ドラマ化、映画化、舞台化とさまざまな形で発表されてきた超人気シリーズが、ついに待望の本格時代劇アニメとして生まれ変わる。アニメならではのクールな色気と力強さを持ち合わせた、新たな“鬼平”が、悪を裁く。主人公“鬼平”こと長谷川平蔵を演じるのは、ブラッド・ピット、ベン・スティラーなど数多くの海外人気俳優の吹替などでお馴染み、堀内賢雄。その他レギュラー陣には浪川大輔、朴璐美、細谷佳正など、本格時代劇アメの名にふさわしい実力派声優たちが勢揃い。

【審査員講評】 弁護士 田中 早苗
あの「鬼平犯科帳」がとうとうアニメ化された。アニメにしたことで、実写とは異なるアクションの華麗さ、シャープさ、スピード感を感じ、時代劇の新たな地平を切り開いたといえる。
作画も素晴らしく、目を見張るものがあった。実力派声優達を起用し、時代劇らしく、重厚で渋みのある声に魅了された。さらに、アニメ化したことで、時代劇初心者や時代劇が苦手な若者にも、時代劇へのハードルが低くなった。時間も24分で見やすく、飽きさせず、かつ、楽しめる良い企画である。

審査委員特別賞

めざせ!オリンピアン
“野獣” 松本薫 דビビり”15歳
柔道 世界のワザと心を本気で伝授!

NHK BS1(日本放送協会)

【バラエティ番組部門】

五輪で活躍したアスリートが次世代の逸材と1対1で向き合い、超一流のワザや心を本気になって伝える姿を通じ、五輪を夢見る多くの若者を応援する企画。短時間の出会いで思いもよらぬ変化を見せる子供達の無限の可能性を、爽かな笑いに包んだスタジオトークで見守るスポーツバラエティとして演出。

作品紹介

「野獣」の異名をもつ柔道金メダリスト松本薫が、中学大会の映像を見ながら本気で教えたい選手を選ぶ場面から番組は始まる。指名されたのはどんな選手かスタジオで4択クイズを出し、正解発表VTRで主人公の中3女子の素朴な素顔を紹介。父のスパルタ指導で全国上位の力をつけながら、試合ではビビってしまう課題が浮かび上がる。その15 歳の元を松本がサプライズ訪問。驚く選手の稽古を観察し、即座に課題を見抜く。二人だけの時間を作った松本は「ビビりは感受性の鋭さの裏返し」と欠点を長所に変えてみせる。実は松本もかつてはビビりで、それが野獣キャラを生んだのだった。翌日は技術的課題に向き合う1対1の稽古。「目線を1ミリ上げる」「指を巻きこむ」など教科書にはない元世界女王の極意が次々と明かされていく。少女の表情は一変、オリンピアン相手に激しい闘志を見せ始める。陰で見守る父が我が子の成長に気づかされた、本気指導の結末とは?

【審査員講評】 ノンフィクション作家 吉岡 忍
オリンピックメダリストであって、無愛想な松本と、オリンピック出場が夢だけど、と無表情にはにかむ少女。野獣の闘志と、無垢のひたむきさ。この取り合わせが、映像に奥行きを与えている。前半、乱取りをしながらじっと少女の様子をうかがっていた松本は、中盤以降、的確にその弱点、見直すべきところを指摘していく。少女の納得、吸収の速さにも、目を見張る。視線の位置、足指の使い方など、柔道とはどういうスポーツかがよくわかる。では、このあと、少女の実際の対戦成績はどうなったか、彼女はどう変わったか。そこまでフォローしたら、スポーツバラエティを超え、これは一級のドキュメンタリーにもなっただろう。

審査委員特別賞

国際共同制作プロジェクト
格闘ゲームに生きる

WOWOW プライム(株式会社WOWOW)

【ドキュメンタリー番組部門】

今TVゲームの世界では、プレイすることで報酬を得るプロがいる。2015年12月に開催された世界大会での決戦に向け、1年に渡り密着取材。WOWOW、東京ビデオセンター、CNEX(台湾)との国際共同製作により、世界規模で活躍する4カ国5人の“プロゲーマー”トップ選手の生き様を追った。

作品紹介

台湾との国際共同制作プロジェクトで送る、WOWOWオリジナル・ドキュメンタリー。日本においてビデオゲームといえば、“たかが遊び”と一般的に考えられているが、今、世界では“e-Sports(エレクトロニック・スポーツ)” と呼ばれ、新たなプロ競技として人気が広がっている。番組では、世界中で人気の対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズのプロプレーヤーとして活躍する4カ国5人の選手を、1年にわたり取材。それぞれが社会に認められないという葛藤や、将来への不安を抱えながらも、技を磨き、戦略を練り、競技の普及のため情熱を傾けている。2015年12月に開催された世界大会での決戦をクライマックスに、“プロゲーマー”という新たな職業に人生を見いだし、闘い続ける彼らの日々を追う。

【審査員講評】 上智大学 文学部新聞学科 教授 音 好宏
世界的にはe-Sport(エレクトロニック・スポーツ)として市民権を獲得しているビデオゲームの世界にカメラが密着。人気の対戦格闘技ゲーム「ストリートファイター」シリーズに熱狂する4カ国のプロプレーヤー5人にカメラが密着したドキュメント。格闘ゲームにどっぷり浸かった生活を嬉々として受け入れ、また、その参戦を自らノルマ化していくそのプロゲーマーの生き方が描かれることで、e-Sportの魔力の深さを感じさせる。
日本のドキュメンタリー制作において国際共同制作の模索は、ある種ブームになりつつあるが、本作品も台湾との国際共同制作プロジェクトによって作られている。ノーナレーションでの番組進行など、国際共同制作なればこその作り手たちの新たな表現に対する意欲を、随所に感ずる作品である。

受賞作品

【大賞】
  • 大賞
【オリジナル番組賞 最優秀賞】
  • ドラマ番組部門
  • ドキュメンタリー番組部門
  • 中継番組部門
  • バラエティー番組部門
  • 情報番組・教養番組部門
  • アニメ番組部門
  • ミニ番組・番組PR部門
【オリジナル編成企画賞 最優秀賞】
  • オリジナル編成企画賞
【審査委員特別賞】
  • 審査委員特別賞

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