オリジナル番組賞 情報教養番組部門
ザ・プレミアム
よみがえる江戸城
ＢＳプレミアム（日本放送協会）
日本史上最大の城、江戸城。今までも模型やCGは作られてきたが全貌に迫るには至らなかった。今回は膨大な図面や障壁画の下絵等を元に、実に5年をかけて徹底的な復元を追求した。そして地上波と一線を画す構成・演出で、城の実像を紹介し、日本史における江戸城の持つ意味を明らかにしようとした。
作品紹介
最高権力者将軍の邸宅であり、政務機関の集合体でもあった江戸城。その中枢、本丸御殿は、１万坪以上の敷地に約８００の部屋を備えた、日本最大の御殿だった。しかし幕末に焼失して以来、再建されることなく、実像は謎に包まれていた。そこでNHKは５年前から、各分野の専門家と、何百枚という当時の図面や障壁画の下絵、類似建造物の独自調査を開始。新たに解明された要素をその都度取り入れながら、ついに本丸御殿の高精細３ＤＣＧによる徹底復元にこぎつけた。番組では、プレゼンターの高橋克実さんのガイドで本丸御殿を探訪、様々な仕掛けが隠された建築や、豪壮な室内装飾を味わいながら城の奥へと進んでいく。将軍権威の絶対化を狙った「大広間」の構造、将軍の日常生活の実態、「松の廊下」刃傷事件の真相、最奥部に設けられた大奥での秘密など、江戸城本丸御殿の驚くべき姿をスタジオゲストとともに解き明かしていく。
【講評】 田中 早苗 審査員
江戸城の中枢・本丸御殿を５年の歳月をかけてコンピュータグラフィックで復元。細部までこだわった建築様式や豪華絢爛の障壁画の再現は圧巻。その技術力には舌を巻く。浅野内匠頭による刀傷事件が起こった松の廊下がどれほど長いのか実感させ、実際は暗かった状況を視聴者に伝える演出方法もうまい。さらに、本丸御殿の大広間は、ＣＧではなく、スタジオに制作し、出演者がそこを歩き、その広さを体験する。ＣＧだけでない番組作りに制作者のこだわりを感じる。そして、将軍の政務や、大奥での日常生活など興味深い話題もちりばめるサービスぶり。研究者とともに協力し、５年という長期にわたるプロジェクトをやり遂げただけではなく、エンターテイメントとしてすばらしい番組を作り上げたのはさすがＮＨＫである。そして、番組からは一人ひとりのスタッフの熱い情熱が感じられた。
エントリー作品一覧
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受賞作品
- 【オリジナル番組賞】
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- 【オリジナル編成企画賞】
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