【制作意図】
・日本人一般人の戦争体験を海外の視聴者に分かりやすく伝えること
・日本の民間人が戦争に動員された経緯/理由を多角的に検証すること
【見所】
・沖縄戦の特異性や天皇の役割など、他のドキュメンタリーでは見れない多角的な視点
【独自性のポイント】
・指導者層や軍隊ではなく民間人の視点で戦争を辿る
・太平洋戦争だけではなく”15年戦争”という長いスパンで戦争を多角的に捉える
作品紹介
日本のいわゆる“15年戦争”を一般市民の目線でたどるヒストリーチャンネル制作オリジナルドキュメンタリー。日本を破滅の淵へ追いやった戦争を政治・思想・プロパガンダ・ポップカルチャーなどさまざまな角度から専門家たちがひも解く。日本はなぜ負け戦を仕掛けてしまったのか?一般人はどのように戦争に動員されたのか?当事者たちの証言を通して激動の時代がよみがえる。
作品動画
【審査員講評】
ノンフィクション作家 吉岡 忍
四半世紀前に終わったとはいえ、「あの戦争」といえば、いまもこの国ではアジア太平洋戦争を指す。足かけ15年に及んだ戦争は、大東亜戦争、太平洋戦争、第二次世界大戦等々と、いまだに正式な呼称すら定まらない曖昧さのなかにある。その、あの戦争を、本作品は事実と映像をスピーディーに積み重ね、証言やコメントを短く差し挟んで描く欧米風のドキュメンタリー手法を駆使し、たたみかけるように探っていく。浮かび上がってくるのは軍部の暴走ばかりではない。天皇の戦争責任、庶民の熱狂、日清日露戦争以来の近代ナショナリズムの危うさ。なぜあんな戦争をやったのか、という(おそらくは)若い制作者たちのすなおな驚きが、歴史修正主義を生む歴史の無知についても考えさせる。