大阪府立登美丘高校の活躍で人気の高校ダンス。全国に約4,800校ある高校の約2,000校にダンス部があり、少子化の中唯一、部員数が増加している注目の競技だ。スカイAでは最も権威がある「日本高校ダンス部選手権」を昨年夏の全国大会から放送。冬の大会を放送局として初めての番組化にトライした。3on3の対決形式は個々の技術が際立ち、会場の熱気も相まって若者のダンス熱を強く感じる良い番組となった。
作品紹介
東日本大会は39校、64チーム。西日本大会は28校、59チームが出場。この番組では、西日本の3回戦ベスト16から優勝までの全チームの対戦をノーカットで放送した。夏の全国大会は集団で踊り、曲は自分たちで選ぶことができるが、3on3、3回戦以降はDJが選んだ曲に合わせて即興で踊らなければならない。基本技術を持ち、そこに自分のフィーリングが加わって初めてダンスとして表現できる。カメラも即興で選手を追うが、各々の全身のサイズや、3人のコンビネーションを重視した画角など工夫している。連覇を果たした京都府立山城高校「ヤマアラシのジレンマ」は、時折キレのある体操選手のような身体能力の高さを見せた。
一般社団法人 ストリートダンス協会
作品動画
【審査員講評】
弁護士 田中早苗
ここ数年日本人ダンサーらが世界大会で優勝するなど、日本のダンスのレヴェルは高い。大阪府立登美丘高校や同志社大学香里高校など西日本に高校ダンス部の強豪校が多い。本番組が西日本のベスト16から優勝までの全チームの対戦をノーカットで放送したのは、賢明な判断だ。DJが選んだ曲に合わせて即興で曲に合わせた躍動感あふれた緩急あるダンス。時に3人のコンビネーションダンス、時にソロダンスとカメラワークが難しいが、秀逸で巧みな仕事ぶり。準優勝チームは、高校生らしくステージ裏まで走りまくり、それを逆手に取った優勝校も同様に走りだし、機転の良さにも目を見張った。見終わった後、清々しい気持ちにさせられる中継であった。